Q1. 捻挫は自然に治りますか?
A. 軽度でも靱帯が緩んだまま残ることがあり、再発しやすくなります。リハビリで安定性を回復させることが大切です。
Q2. 何度も捻挫するのはなぜですか?
A. 靱帯や周囲の筋肉の支えが弱くなり、足首が不安定になるためです。リハビリで強化する必要があります。
Q3. 捻挫をしたらまずどうすればいいですか?
A. まずは「PEACE & LOVE」の考え方に沿った対応を行いましょう。
PEACE(受傷直後)
● P:Protection(保護)
捻った直後は、さらに痛めないように運動を控え、患部を保護します。無理な歩行は避けましょう。
● E:Elevation(挙上)
患部を心臓より高く上げて、腫れを防ぎます。寝るときや休むときに枕などを使って足を高く保ちましょう。
● A:Avoid anti-inflammatory modalities(抗炎症薬の使用を避ける)
NSAIDs(痛み止めの薬)やアイシングは、初期の組織修復を妨げる可能性があるため、医師と相談のうえで使用を判断します。
● C:Compression(圧迫)
弾性包帯などで軽く圧迫し、腫れを抑えます。ただし、強く巻きすぎないよう注意が必要です。
● E:Education(正しい知識)
早く治すためには、安静だけでなくリハビリも重要です。必要に応じて医師に相談し、最適な回復方法を知っておきましょう。
LOVE(回復期)
● L:Load(負荷)
無理のない範囲で徐々に荷重をかけることが、回復を早めます。痛みの出ない範囲で日常動作から始めましょう。
● O:Optimism(前向きな気持ち)
前向きな気持ちは回復の促進にもつながります。不安なことがあれば医師にご相談ください。
● V:Vascularisation(循環促進)
軽い有酸素運動やリハビリは血流を促し、治癒を助けます。医師や理学療法士の指導のもとで行いましょう。
● E:Exercise(運動療法)
関節可動域や筋力を回復させるため、段階的な運動療法が必要です。再発予防のためにも、専門的なリハビリが効果的です。
ポイント:冷やすより“動かす”が現代の基本方針
以前は「RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)」が推奨されていましたが、現在では過度な安静やアイシングが治癒を遅らせる可能性があるとされており、「PEACE & LOVE」が新しいスタンダードになっています。
文責・監修 金田 卓也