骨粗しょう症とは
「骨がもろくなり骨折しやすくなる病気」です。
年齢とともに骨の密度は低下し、ちょっとした転倒や尻もちでも骨折してしまうリスクが高まります。
特に女性は閉経を境に骨密度が急激に減少するため、40代からの骨密度検査がとても大切です。
しかし症状が出にくく、「骨折して初めて気づく」ことも多いため、予防と早期発見が非常に重要です。

なぜ骨が弱くなるの?
骨は常に「作られる(骨形成)」と「壊される(骨吸収)」を繰り返しています。
加齢・女性ホルモンの低下・栄養不足・運動不足・喫煙・飲酒などによりこのバランスが崩れると、骨の量が減り、骨がもろくなります。

主な症状と骨折のリスク
●背骨(椎体)・・・転倒なしでも骨折。知らないうちに折れていることも
●手首(橈骨遠位端)・・・手をついて転倒したときに多発
●太ももの付け根(大腿骨近位部)・・・寝たきりの原因に
●上腕骨・肋骨など・・・生活の質(QOL)を大きく低下させます

当院での診断と治療
当院は本巣市で唯一、DXA法による骨密度検査を整形外科専門医が実施している医療機関です。
専門的な診察と数値に基づいた丁寧な説明で、安心して受診いただけます。
●骨密度検査(DXA法)
●血液・尿検査
骨代謝マーカーを確認し、骨の状態や治療効果を詳細に評価します。
骨粗しょう症の治療法
一人ひとりの骨密度・年齢・骨折歴に応じて、治療を個別に行います。
●食事・運動指導
○カルシウム・ビタミンD・たんぱく質の摂取
○筋力・バランスを保つ運動と日光浴で転倒予防
●薬物療法
骨を作る薬(テリボン、イベニティ)
○骨を壊す働きを抑える薬(ビスホスホネート、デノスマブなど)
○ビタミンD・カルシウム補充薬など
※注射薬は月1回、半年に1回などライフスタイルに応じた選択肢があります。

最後に 〜骨の健康は“今”から守れます〜
骨は“沈黙の臓器”といわれるほど、症状が出にくい場所です。
気づいたときにはすでに骨がもろくなり、転倒からの骨折や、場合によっては寝たきりになることもあります。
骨密度検査は、将来の骨折リスクを“見える化”できる、今できる予防医療のひとつです。
特に40歳を過ぎた方は、自分の骨の状態を一度チェックしておくことを強くおすすめします。
よくあるご質問
Q1. 骨密度検査はどれくらいの頻度で受ければよいですか?
A. 基本的には年1回の検査をおすすめします。治療中の方や骨密度の低下が進んでいる方は、半年ごとの検査で変化を確認することもあります。
Q2. 骨密度が低いと言われましたが、すぐに薬を飲まなければいけませんか?
A. 骨密度の数値だけでなく、年齢・骨折歴・血液検査の結果を総合的に判断して治療方針を決めます。すぐに薬を始めるのではなく、まずは食事や運動の改善から始める場合もあります。
Q3. DXA法の骨密度検査は痛いですか?放射線は大丈夫?
A. 痛みはまったくありません。数分間ベッドに寝ているだけで検査できます。放射線の量も非常に少なく、安全な検査です。
Q4. 男性でも骨粗しょう症になりますか?
A. はい、男性でも加齢や生活習慣の影響で骨密度が低下し、骨粗しょう症になることがあります。特に70歳以上の男性は注意が必要です。
Q5. どんな薬を使うのですか?副作用はありますか?
A. 骨を「作る薬」「壊されるのを防ぐ薬」「カルシウムやビタミンDの補充薬」などがあります。副作用は薬によって異なりますが、専門医が体質やライフスタイルに合ったものを選び、副作用の少ない方法で治療を進めます。
Q6. 骨粗しょう症の治療はいつまで続ける必要がありますか?
A. 原則として長期的な治療が必要です。ただし、骨密度の改善や骨代謝の状態によって、薬を一時中止したり変更することもあります。定期的な検査で評価を行います。
Q7. 骨密度検査を受けるにはどうすればよいですか?
A. 当院では予約制でDXA法による骨密度検査を行っております。お電話または受付でお気軽にご相談ください。
文責・監修 金田 卓也